機長が外に…BA5390便の事故原因と機長ランカスターのその後は【空中サバイバル】

2021年2月7日に放送される「超絶!THE空中サバイバル」で1990年に起きたブリティッシュ・エアウェイズ5390便不時着事故について特集されます。

これは上空約5,000mでコックピットの前方窓ガラスが吹き飛び、機長(ティム・ランカスター)が機外に放り出されてしまった恐ろしい事故です。

ただ、奇跡的にも死者は1人も出る事なく機長も骨折だけで済むなど最小限の被害で抑える事ができたのです。

この記事では、5390便の窓ガラスが吹き飛んだ原因や機長ティム・ランカスター達のその後について紹介していきます。

ブリティッシュ・エアウェイズ5390便不時着事故!機長が外に放り出される

事故が起きたのは1990年6月10日。

この日、ブリティッシュ・エアウェイズの5390便はイギリスのバーミンガム空港からスペインのマラガ空港へ飛行予定でした。

ブリティッシュ・エアウェイズの5390便の搭乗者
  • 機長:ティム(ティモシー)・ランカスター(42歳)
  • 副操縦士:アラステア・アッチソン(39歳)
  • 客室乗務員:4人
  • 乗客:81人

事故は離陸してから10分後に発生します。

5390便は順調に上昇していると、上空約5,000mの地点でランカスターが座る座席前方のフロントガラスが突如吹き飛ぶ事案が発生。

シートベルトを外していたランカスターは外に投げ飛ばされるものの、膝が飛行操縦機に引っ掛かり上半身だけが外に飛び出す形に。

※下記の写真は再現VTRで作成されたものです。

するとタイミング良くコックピットに軽食の有無を確認しに来た乗務員のナイジェル・オグデンは、すぐさまランカスターのベルトを掴み全身が放り出されないようにします。

別の乗務員サイモン・ロジャースジョン・ヘワードも加わり3人で協力してランカスターを支える事に。

そして、副操縦士のアッチソンが突風と寒さに耐えながらこのような困難な状況下で冷静に対応。

窓ガラスが吹き飛んだ事で機内の酸素濃度が低くなった事から、乗員全員の酸素が確保するために機体を急降下させます。

実はランカスターが外に投げ出された際、ランカスターの足が自身の操縦桿を押して機体が急降下。

アッチソンの操縦桿では操縦が不可能であったため、墜落の可能性があったにもかかわらずアッチソンはオグデン達にランカスターの足を外さないように指示。

というのもアッチソンは急降下を利用して酸素が確保できる高度までわざと落としたのです。

また、乗務員たちの限界も近づきランカスターを手放すかの話し合いも行われたのこと。

しかし、体が後方左翼にあるエンジンに入って機体に損傷が起きる可能性もあった事からランカスターを手放さないようアッチソンは指示。

こうしてアッチソンの冷静な対応や機転によりランカスターが放り出されてから約20分後に5390便はサウサンプトン空港に緊急着陸。

ランカスターも無事助かり、1人の死者を出すことなく5390便は最悪の事態を免れたのです。

 

窓ガラスが吹き飛んだ原因はボルトの大きさ

窓ガラスが吹き飛んだのは固定するボルトの大きさが原因だったようです。

5390便が離陸する2日前にメンテナンスで窓ガラスの交換が行われたのですが、吹き飛んだガラスに使用されたボルトのほとんどが規格外であると判明。

事故後、警察はイギリスのオックスフォードシャーのチョールジーで吹き飛んだ窓ガラスとそれを固定していたボルトを発見。

ボルトを調査すると、そのほとんどが本来使用されるものより直径が小さいまたは長さが足りていない物だったようです。

それゆえ、高度の高い所で外気とコックピット内の気圧差にボルトが耐えられず窓ガラスが吹き飛んだと言われています。

実はメンテナンス前に使用されていたボルトも規格外のものだったようですが、事故が起きていなかった事からそのまま使用されていたとのこと。

離陸が近かった事もありボルトの確認が行われず、以前と同じ規格外のボルトが使用されてしまったのです。

 

ティムランカスター機長や乗務員たちのその後

九死に一生を乗り越えたランカスターは事故により凍傷や打撲、右手首を骨折するけが負うことに。

しかし事故からわずか5ヶ月で現場復帰。

定年までブリティッシュ・エアウェイズで働き、退職後には格安航空会社に勤務したそうです。

(※写真の真ん中がランカスター)

また、5390便を無事地上に着陸させ86名の命を救ったアッチソンは事故後ブリティッシュ・エアウェイズを退職。

退職後は格安航空会社のJet2.comに転職してこちらも定年まで勤務されたとそうです。